かばん修理工房の三谷でございます。
本日もたくさんのお問い合わせ、ご依頼いただきましてありがとうございます。
今回は愛知県名古屋市A様からバッグの持ち手交換のご依頼を頂きました。
箱型のシンプルなデザインのバッグですがワニ革が個性的な素敵なお品です。
今回のご依頼者様からは持ち手の艶がなくなってきたとの事でご相談をいただきました。
基本的にクロコダイルの革は非常に丈夫なのですが、ご使用により革の光沢感がなくなってきたり、曇ってくることがございます。
これは、革の表面に細かな傷やシワができることにより光が乱反射し艶がなくなったように見えることが原因でございます。
特に持ち手に関しましては、湾曲しておりますのでご使用に伴い革の表面に細かなしわが出来やすいのです。
そのためバッグ本体に比べて艶がなくなりやすいのですね。
また、ケアをする際に目の粗い布などを使用されますと、それが原因で小傷ができてしまうといった事もございます。
基本的なケア方法と致しましては、クロコダイルも他の革同様に水気を嫌いますので、柔らかい布で優しく拭いてあげることでよい状態を保つことができます。
爬虫類皮革専用クリームもございますが、革の表面の加工状態によってはクリームなどの使用をしない方がいい場合もございますので、お鞄をご購入されたお店に適切なケア方法をお尋ねいただくとよろしいかと思います。
さて今回のご依頼品は大きな損傷がございませんので本来であれば元々の持ち手の革に表面のコーティングを施したいところではございますが、当店ではこのような塗装(ワニ革の表面加工やエナメルの再塗装)を行っておりませんので持ち手を新たにお作りさせて頂くことになりました。
革に関しましてはクロコダイルのような特殊な革はご用意できませんので、今回はクロコダイルの型押しを施してあるエナメルの革でお作りさせて頂きました。
型押しですので、ウロコ模様の大きさや印象は、元の革に比べると随分と異なりますがご了承頂いた上で作成させていただきました。
こちらが修理完了後の状態です↓↓↓↓
持ち手の艶感がなくなっていた点に関しましては改善したのでよかったのではないかなと思います。
エナメルに関しましてはご使用時にはお気軽に使用していただけますが、湿気を嫌いますので湿気がこもらないように保管されることをおすすめ致します。
今回は最善策とは言えないかもしれませんが、当店ができる範囲でお客様のご要望にお応えさせていただきました。
末永くご使用いただけます事を願っております。
A様、この度はご依頼いただきまして誠に有難うございました。