こんにちは
かばん修理工房の三谷でございます。
本日もたくさんのお問い合わせ、ご依頼をいただきまして誠にありがとうございます。
春が始まったと思ったら、昨日はまた真冬に逆戻りした寒い一日でした。
北海道はもちろん、長野や岐阜でも雪。
桜の蕾もこの寒さに驚いているでしょうね。
何にでも当てはまりますが、
簡単にできるもの(事)は、探してもなかなか見つかりません。
そのために何度も考え、繰り返し練習します。
皮革の断面を仕上げるコバ塗りの工程も同じです。
コバ塗りの仕上げ剤の量が多すぎて部分的に厚くなったり、
手を早く進め過ぎたところだけ薄くなったりと、微妙な手加減がストレートに現れます。
息をこらえてスーっと一定の速度を保って進めます。
慣れてきて初めて、乾いた時の出来上がりが楽しみになります。
さて、今回はLOUIS VUITTON(ルイ ヴィトン)のショルダーバッグ・モノグラムのショルダーベルト交換のご紹介です。
広島県江田島市M様のご依頼品LOUIS VUITTON(ルイ ヴィトン)ショルダーバッグ・モノグラムのショルダーベルト交換お直しが完了いたしました。
ショルダーベルトですが、皮革の劣化で、根元部分が片方ちぎれた状態でご依頼をいただきました。
修理前の状態のお写真はこちら↓↓↓↓
ちぎれたショルダーベルトの根元の部分のみ継ぎ足し交換修理をするか、
ショルダーベルトそのものを新しくお作りし交換するか、
2つのご提案をさせていただきました。
ご依頼主様の選択により、新しいショルダーベルトを作成して交換するお直しを承りました。
ご依頼品を見させていただきましたところ、
美錠は再利用可能でございました。
新しいベルトをお作りしてから本体に取り付けさせていただきました。
修理完了後のお写真はこちら↓↓↓↓
ベルト留め(遊革)の2つは、
違和感のないようにほかの部分と同じ色合わせをしてから新しいものを作成させていただきました。
修理完了後のお写真はこちら↓↓↓↓

皮革からショルダーベルト部分を裁断いたしますが、
裁断した断面のコバと呼ばれる部分は専用の仕上げ剤を使い、
職人の手で慎重に塗装いたします。
この作業は手作業のため、完璧に均一に塗ることが出来ませんが、
出来る限り美しい仕上がりになるよう進めております。
コバの仕上げについて、
LOUIS VUITTON(ルイ ヴィトン)オリジナルをご覧いただきますと、
新品の状態では、
とても赤みが強く感じられる印象でした。
その色が、経年の変化で次第に赤茶色に変化しつつあるようです。
これは使い込むうちに色の変化も楽しめるわけです。
とても味わい深いことだと思います。
当店では、ご依頼品のお直しをするにあたり、
一際、気をつけている点がございます。
皮革を継ぎ足して補修する際には、周りに使われている赤茶色を参考に色合わせを致します。
新しくお作りするのであれば、元の赤みが強い印象の色を参考に塗料を調合致します。
しかし、お使いになられているお客様が、新品の状態である元の色をお忘れになっている場合も多くございます。
あまりにも今までの色との差がありすぎてしまい、
違和感を感じる恐れもあります。
せっかく新しくお作り致しましても、これでは気になって落ち着きません。
そこで、オリジナルに忠実に、色をお作りするのではなく、
あくまでも参考程度にして、多少オリジナルに比べると、赤みを抑えた印象の色になるように色の調合をしてお作り致しております。
修理完了後のお写真はこちら↓↓↓↓
ベルト穴もオリジナルを参考に、それに近い大きさで、穴と穴の間隔も同じようにし、オリジナルと揃うよう職人の手で1つずつ丁寧に開けていき、お作り致しました。
修理完了後のお写真はこちら↓↓↓↓
上記の流れで、ご依頼品に合わせて新しいベルトをお作りし、
交換させていただきました。
お手元に届きましたその時からまた安心してお使い下さいませ。
修理完了後のお写真はこちら↓↓↓↓
広島県江田島市M様
このたびは、ご依頼品のLOUIS VUITTON(ルイ ヴィトン)ショルダーバッグをお預かりし、お直しさせていただきました。
誠にありがとうございました。