こんにちは
かばん修理工房の三谷です。
本日もたくさんのお問い合わせ、ご依頼をいただきまして、誠にありがとうございます。
日に日にうららかな陽気となってきましたね。
身も心も弾む春の季節がやってきました。
どこかで教えていただきましたが、
春の色と言えば第一位が黄色なんだそうです。
気がつけば私も、春になるといつの間にか出してきて使っています。黄色のカバン。
この優しい日差しの中、皆さんはどちらへお出かけされますか。
春に向けてお好きな色を楽しむのはいかがでしょう。
本日は長野県木曽郡S様より、ザネラートのお財布修理をご依頼いただきましたのでご紹介させていただきます。
ご依頼品はイタリアのレザーウェアを取り扱うブランドであります、ZANELLATO(ザネラート)のお財布でございます。
1976年から始まり、手袋やアクセサリーなども幅広く制作し、ハンドメイドによる職人技は、一度手に取っていただきますと、手作りのぬくもりとともに仕上がりの素晴らしいことがわかります。
感動が伝わってくると思います。
今回はスラス交換と引き手作成のご紹介です。
スラスの口を閉じても開いてきてしまう状態でした。(スラスと呼ばれているのはファスナーを開閉するために動く金具の部分こと、スライダーとも呼ばれています)
ほかにファスナーのテープと呼ばれている生地部分の破れや、エレメント(金属製の小さいプチプチ部分のこと)の不具合は、幸い見受けられませんでしたので、新しくスラスの交換をさせて頂きました。
修理完了後のお写真はこちら↓↓↓↓
かばん修理工房では、
見た目で判断できるファスナーの破損がない限り、
まずは部分的な金具の交換で改善させるご提案として、スラス交換をご案内しております。
スラス交換は実際に作業を行い、動作チェックを行ってみないことには、
修理の可否判断ができかねます。
ですが、ファスナー交換ともなりますと、分解や縫製といった大掛かりな修理内容となってしまいますので、その分の修理金額も高価になってしまいます。
そういった理由もあり、まずはスラス交換、
次に、スラス交換でも問題が改善されない場合に、ファスナー交換のご案内を段階別にご提案させて頂いております。
もちろん、お客様のご希望をお聞かせいただければ、スラス交換で対応ができる場合でも、
ファスナー交換の修理をお選びいただくことも可能でございます。
そういったご希望やご相談は修理前のご依頼の際にお申し付けくだされば幸いです。
ファスナーを動かすスライダー部分には、引き手が付いていなかったため(無くなっていたため)、
指先で摘めない状態でした。
このままではファスナーを開閉するのに大変不便ですので、
新しく革製の引き手をお作りさせていただきました。
新しくお作りするにあたりましては、小銭入れの引き手を参考にさせて頂きました。
小銭入れ部分の引き手のお写真↓↓↓↓
厚みや大きさを試行錯誤しながら微調整し、摘み易さも考慮して、二枚の皮革を外表に張り合わせてから二つ折りし、手縫いでしっかりと止めて、耐久性も必要ですので、丈夫に仕上げさせて頂きました。
引き手を取り付けるリングもなかったため(無くなっていたため)、大きさに丁度合うものを選び、繋ぐことができました。
修理完了後のお写真はこちら↓↓↓↓
イタリアの皮革は昔から数多くの工程を経て丁寧に仕上げられています。
とても質が良いことで有名です。
ふと手に取っただけで、その手触りの良さに魅了されてしまい、いつの間にか長年愛用しているとおっしゃる方もよくいらっしゃいます。
今回のご依頼品のように消耗部分であるファスナーはどうしても先に痛んでしまいます。
当店ではこのように大切なお品を末長くご愛用いただけますよう、ご要望をお伺いし、熟練の職人が丁寧にご対応させて頂いております。
どうぞお気軽にご相談下さい。
長野県木曽郡S様
このたびは、当店に大切なお財布をご依頼いただきまして誠にありがとうございました。