かばん修理工房の三谷でございます。
今回のご依頼品はオロビアンコのビジネスバッグです。
オロビアンコは1996年、ジャコモ・ヴァレンティーニとエリサ・ロヴァティによりイタリア・ミラノにほど近いガララーテという町で誕生しました。
オロビアンコのバッグはスタイリッシュでありながら機能的でビジネスバッグにありがちな重々しさがありません。
シンプルなナイロン×レザーのバッグでもイタリア国旗のカラーと山羊のロゴがオロビアンコの風格を醸し出していて粋ですよね。
さて、今回は持ち手とバッグのコーナー部分の修理をご依頼頂きました。
持ち手は中に入っている芯が真ん中で折れている状態でした。
ご依頼品の持ち手の革はまだ十分にご利用いただける状態でしたので、そのまま利用させていただき中の芯のみを新しい物に交換させていただくことになりました。
芯は柔軟性のある芯を使用しましたので、折れにくくなっていると思います。
この作業では、一度持ち手のステッチを全てほどいてから、芯を入れて手縫いで縫い戻します。
芯のみの交換というと簡単そうに聞こえますが、作業としては割と手間がかかります。
バッグのコーナー部分はバッグを床に置いた時に地面に接する部分の革が擦り切れている状態でした。
こちらは擦り切れ箇所に革を当てて補修させていただきました。
革を細長く裁断し、擦り切れている部分をカバーするように革を当てミシンをかけます。
革を当てる修理作業では、どのように革を当てるかが非常に重要になります。
といいますのも、革の当て方ひとつで仕上がりの印象がぐっと変わるからです。
せっかくのバッグが、継ぎはぎのようになってしまっては元も子もありません。
当店ではこれまでの修理経験をいかしてできるだけ違和感のない仕上がりになるよう心がけております。
修理完了後の状態はこちらです↓↓↓↓
持ち手に関しては、革はそのまま利用していますので、外見的な変化は分かりにくいと思います。
ただ、ご覧頂くと分かるように持ち手の革がしっかりと張っていますよね。
持ち手は革と中に入れる芯の太さが上手く合わないと格好良く決まりません。
今回はお使いの持ち手にぴったりのサイズの芯がご用意できましたので綺麗に仕上がりました。
また、コーナー部分の革当ては革の色がよく馴染んでいることもありほとんど修理箇所がめだちません。
やはり角が綺麗になるとバッグ全体が生き返りますね。
この先も長くご使用いただけますことを願っております。
I様、この度はご依頼いただきまして誠にありがとうございました。
この度の素敵なご縁に感謝致しております。