かばん修理工房の三谷でございます。
本日もたくさんのお問い合わせ、ご依頼いただきましてありがとうございます。
今回はI様からGUCCIのハンドバッグの持ち手作成のご依頼をいただきました。
ご依頼品はGGキャンバスのベルトデザインが印象的なハンドバッグ。
キャンバスとレザーのコンビネーションが落ち着いた雰囲気でどこか暖かみを感じさせてくれます。
さて、今回はご依頼者様よりご愛用のこちらのバッグのダメージが気になっているとの事でご相談をいただきました。
お話を詳しく伺ったところ、大きく2つの問題がございました。
一つは持ち手の状態。
お鞄を拝見させていただきましたところ、持ち手のコバがひび割れており、握る部分には革のヘタリが見受けられました。
この点に関しましては、持ち手を作成し交換させて頂くことでご対応可能である旨お伝えさせていただきました。
そして、もう一つは革のスレや傷の問題。
バッグの角や、持ち手付近のベルトなどに見られるスレや細かい傷が気になっているとの事でした。
この点についてはクリーニング・色掛けのご案内をさせて頂きました。
ただ、予算的な問題からクリーニングまでするのはちょっと難しい。
でも、やはりバッグの傷は気になるとの事で、いっそのこと修理自体を諦めて売却してしまおうかとも悩まれておられました。
バッグの修理は決して安価ではございませんので、どこまでお金をかけて修理をするべきかという点は非常に悩ましい問題だと思いますし、また良く思慮されるべき問題でもあると思います。
上質なバッグであってもある程度の期間をご使用されきますと、革がひび割れてきたり、コバが擦り切れたりといった症状が出てくる事はやむを得ません。
どのようなお鞄であっても、使用期間が長くなればなるほど修理の手間がかかるようになってまいりますし、それに伴い修理費用も嵩んでしまいます。
ですから、物理的には修理をすることが可能であっても、現実的にはどこかで折り合いをつける必要がでてまいります。
私どもは、こうしたお悩みにも修理屋としての立場だけではなく、お客様の立場に立って、お話を伺わせていただく事を心がけております。
さて、今回は最終的には持ち手のみを修理させていただき、今後もご愛用いただくこととなりました。
お出かけ用のバッグとして考えますと傷が気になってしまうかもしれませんが、普段使いのバッグとしてお使いいただくのも悪くない選択肢だと思います。
多少のスレや傷などを気にすることなく、ぜひ沢山ご使用いただければと思います。
こちらが修理完了後の状態です↓↓↓↓
カシメはアンティークを使用し、持ち手は出来るだけオリジナルに忠実な構造で作成させていただきました。
今回は持ち手の作成交換のみとなりましたが、作業後のお鞄を実際に見ていいたければ、これだけでも印象がぐっと変わったことを実感して頂けると思います。
ぜひ今後も末永くご愛用いただければと思います。
I様、この度はご依頼いただきまして誠にありがとうございました。
この度の素敵なご縁に感謝致しております。